DBがボンバルディア製車両の受け取り拒否、OSのトラブル多発で

ドイツ鉄道(DB)がボンバルディア製特急鉄道車両の受け取りを拒否していることが27日、明らかになった。車両に欠陥があるためで、速やかな問題解決を求めている。「あらゆる法的手段を検討する」意向を表明しており、損害賠償を請求する可能性もある。『南ドイツ新聞(SZ)』がDBへの取材などをもとに報じた。

欠陥が指摘されているのは二階建ての特急列車「IC2」。2019年初頭の初引き渡し直後から、進行方向を変えるとオペレーティングシステム(OS)がダウンするなどのトラブルが多発。運転手はシステムを立ち上げるために始発駅で発車の1時間前から悪戦苦闘しているという。同列車を利用するスイス国鉄(SBB)でも問題が報告されている。DBはこうした事態を受けて、25編成の受け取りを拒否した。ボンバルディアは28日、IC2に問題があることを認めるとともに、早急に解決する意向を表明した。

DBは昨年4月にも、シーメンスが製造する最新の高速鉄道「ICE4」の車両受け取りを停止した。それまでに受け取った26編成すべてで溶接に問題があることが確認されたためだ。溶接を担当したのはサプライヤーとして製造にかかわったボンバルディアだった。ボンバルディアは2012年にも、自社製ローカル線車両「タレント2」の認可を当局から得られず、DBへの納期を守れなかった経緯がある。

DBでは長距離車両が老朽化して故障が増えており、運休や遅延が発生しやすくなっている。今年から運賃の付加価値税が引き下げられた効果で、乗客が増加していることもあり、同社は平均車齢を現在の20年超から15年に引き下げる計画。そうしたなかで起きた今回のトラブルは大きな痛手となりそうだ。

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