コンチネンタル―構造改革の追加措置を検討―

自動車部品大手の独コンチネンタル(ハノーバー)は5日の決算発表で、昨秋に打ち出した構造改革の追加措置を検討することを明らかにした。中国を中心に新型コロナウイルスの感染が広がるなど自動車業界を取り巻く環境が一段と厳しくなっていることに対応する考え。5月をめどに追加措置を発表する。

同社は9月下旬、2029年までの10年間の構造改革計画を発表した。世界の自動車生産が減少するなど経営を取り巻く環境が悪化する同時に、車両の「通信端末化」「自動運転化」「シェア化」「電動化」を意味するCASEを背景に業界が大きな転換期を迎えていることから、経営資源を将来性の高い分野へと集中して、持続的な成長と財務の強化を実現する。これに伴い工場閉鎖などを実施。世界の従業員(24万4,000人)の約8%に当たる2万人が影響を受ける見通しだ。

この発表以降、経済環境は世界的に一段と悪化しており、コンチネンタルは「乗用車と小型商用車の生産減はこの間、(リーマンショックに端を発する)2008~09年の危機に匹敵する規模に達した」と危機感を募らせている。新型コロナの感染拡大とそれに伴う中国の生産減少は大きな足かせ要因となっており、追加措置を通して生産性と競争力を持続的に高められるようにする意向だ。

19年12月期暫定決算の純損益は12億ユーロの赤字となり、前期の黒字(29億ユーロ)から大幅に悪化した。景気低迷のほか、過去に行った買収で評価損を計上したことが響いた格好。営業利益(EBIT、調整済み)は21.5%減って32億3,390万ユーロとなった。売上高は0.2%増の444億7,840万ユーロとやや拡大したものの、事業の買収・売却を除いた実質ベースでは1.1%減の438億6,770万ユーロへと後退した。売上高営業利益率(調整済みベース)は前期の9.3%から7.4%へと低下している。

20年12月期は売上高で425億~445億ユーロ、売上高営業利益率(同)で5.5~6.5%を見込む。

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