ドイツ連邦陸運局(KBA)が4日発表した2月の乗用車新車登録台数は前年同月比10.8%減の23万9,943台と大きく落ち込んだ。減少は2カ月連続で、減少幅は前月の同7.3%から拡大。1~2月の累計は前年同期比9.0%減の48万6,243台となった。
2月はマイカーとしての登録が16.1%減少。社用・公用車も7.8%後退した。シェアはそれぞれ33.1%、66.8%となった。
2月の新車登録を動力源別でみると、ガソリン車は前年同月比で22.0%減少し、シェアは前年同月の59.7%から52.1%へと低下した。ディーゼル車も13.4%減と大きく後退。シェアは32.6%から31.6%に落ち込んだ。
電動車はこれまでに引き続き好調を維持しており、電気自動車(EV)の新車登録台数は75.8%増の8,154台と大きく拡大した。ハイブリッド車(HV)も98.1%増の3万台と好調で、シェアは5.6%から12.5%へと大幅に拡大している。プラグインハイブリッド車(PHV)は8,354台で、279.4%増加した。
車種別でみると、ミニバンが45.4%減、超小型車が38.1%減、大型バンが33.0%減、大型車が26.3%減、コンパクトカーが12.0%減、小型車が11.7%減、SUVが10.4%減と大きく落ち込んだ。増加したのはキャンピングカー(50.2%増)、中型車(12.4%増)、ハイルーフコンビ・マイクロバス・ピックアップ(2.7%増)だけだった。
走行1キロメートル当たりの新車の二酸化炭素(CO2)排出量(世界統一試験サイクル=WLTPで測定)は149.6グラムで、前年同月から4.8%減少した。環境対応車が大幅に増えたことが大きい。
増加率が最も大きかったブランドはレクサスで、前年同月比71.2%増の262台へと拡大した。このほかボルボ(25.4%増の4,301台)、セアト(23.4%増の1万1,225台)、ポルシェ(19.1%増の1,734台)、日産(14.9%増の3,330台)、フィアット(13.1%増の6,328台)、DS(12.1%増の222台)も2ケタ台の伸びを記録した。
ポルシェ以外のドイツ車はすべて減少した。各ブランドの実績はBMWが1.2%減の1万7,613台、メルセデスが3.3%減の2万3,577台、VWが11.1%減の4万4,405台、ミニが15.4%減の2,792台、フォードが18.5%減の1万7,330台、アウディが20.3%減の1万9,172台、オペルが20.6%減の1万4,031台、スマートが81.2%減の695台。
レクサスと日産以外の主な日本車では三菱が0.8%増の4,247台へと拡大した。トヨタは8.2%減の5,950台、スバルは17.9%減の449台、スズキは34.7%減の2,082台、マツダは34.9%減の3,515台、ホンダは39.4%減の774台だった。
日本車以外の主な輸入ブランドでは起亜が7.7%増の5,617台、ジャガーが3.9%増の667台へと拡大した。そのほかはルノーが2.2%減の9,420台、シトロエンが3.9%減の4,409台、ジープが4.6%減の1,108台、アルファロメオが6.3%減の225台、現代が7.7%減の8,534台、シュコダが11.3%減の1万4,870台、ランドローバーが22.1%減の868台、プジョーが22.3%減の4,339台、双竜が25.2%減の119台、ダチアが36.6%減の3,708台、テスラが37.3%減の685台へと落ち込んだ。
一方、独自動車工業会(VDA)が同日発表した2月の国内乗用車生産台数は前年同月比12%減の38万8,900台へと後退した。輸出台数も17%減って28万5,800となった。1~2月の累計は生産台数が前年同期比10%減の73万台、輸出台数が15%減の53万6,800台だった。
新規受注も落ち込んでおり、2月は国内が19%、国外が14%の幅で減少。1~2月もそれぞれ18%、10%落ち込んだ。国外受注が減少した理由の一つとしてVDAは新型肺炎の流行に伴う中国需要の後退を挙げた。