ドイツ最大の港湾であるハンブルク港の貨物取扱量が急速に縮小してきた。新型コロナウイルスの流行に伴う中国の大幅減産の影響が時間差で現れているためだ。同港管理会社HHLAのアンゲラ・ティッツラート社長は『フランクフルター・アルゲマイネ』紙に、取扱量が5月までは最大70~80%落ち込むとの見通しを明らかにした。
中国では新型コロナの流行を受けて工場生産が1月末以降、大幅に減少した。中国からハンブルクまでの輸送日数はおよそ6週間に上ることから、これまでは同港の取扱量に影響がなかったが、現在は中国からの船舶の積み荷が少なくなっている。中国の生産減少は世界の物流・生産にしわ寄せをもたらしたこともあり、ハンブルクの貨物取扱量の激減は避けられない見通しだ。
ティッツラート社長は中国の生産活動が急速に回復していることを踏まえ、ハンブルク港の中国貨物取扱量は5月初旬から中旬にかけて正常化するとの見方を示した。