車工場の操業停止が拡大、サプライヤーにも波及

工場の操業を一時的に停止する自動車メーカーが一段と増えてきた。サプライチェーンの寸断や需要の減少を受けた措置で、独ダイムラーは17日、同週(16~22日)から差し当たり2週間、欧州の工場の多くを停止すると発表。BMWとポルシェ、トヨタ自動車も18日、同様の措置を取ることを明らかにした。車メーカーが生産を大幅に減らすことから、生産調整の動きはサプライヤーにも波及している。

ダイムラーは乗用車、トランスポーター、商用車工場の稼働を停止した。この措置を延長するかどうかは今後の状況をみて判断する。

BMWは欧州と南アフリカの工場を差し当たり4月19日まで閉鎖する。ドイツを中心に約3万人の従業員が影響を受ける。米スパータンバーグ工場については、今後数日間は操業を続けることができるとの見方を示した。

同社は主要市場で需要が急減していることを受けて、今年の販売台数が前年を大きく割り込む見通しも明らかにした。自動車部門の売上高営業利益率については前年の4.9%から「2~4%」へと落ち込むと予想している。

トヨタは欧州工場の大半で18日から操業を段階的に停止した。対象となっているのは仏オナン、英バーナストン、ディーサイド、独ケルン、ポーランドのヴァウブジフ、イェルツ・ラスコビツェ、トルコのサカリヤ、およびチェコの工場。当局の新型コロナ対策を受けて物流とサプライチェーンに一時的に支障が生じる可能性があるためと説明している。

ポルシェはシュツットガルトのツッフェンハウゼン地区にある本社工場とライプツィヒ工場を21日から2週間、閉鎖する。当初は生産継続の意向を示していたが、グローバルサプライチェーンの供給不足と従業員の反発を受けて方針を転換した。

こうした状況を受けてサプライヤー大手の独ボッシュとZFフリードリヒスハーフェンは18日、一部工場で生産を一時停止することをそれぞれ明らかにした。ボッシュではフランスとイタリア、スペインの工場を対象としている。

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