ドイツ連邦統計局が4月29日発表した3月の輸入物価指数は前年同月比5.5%減となり、2016年5月以来の大きな下げ幅を記録した。前年同月割れは11カ月連続。新型コロナ危機を背景にエネルギーの低下率が前月の17.3%から41.3%へと大幅に拡大したことで全体が強く押し下げられた。エネルギーを除いた輸入物価はマイナス0.8%だった。
エネルギーで最も下げ幅が大きかったのは原油で、50.3%に達した。石油製品(37.0%減)、天然ガス(35.7%減)、石炭(25.6%減)、電力(25.0%減)も2ケタ台の低下となっている。
中間材は3.0%減となり、下げ幅は前月の1.3%から拡大した。非鉄金属鉱石が16.3%、電子部品が10.0%、銑鉄・鉄鋼・鉄合金が7.8%下落。貴金属は32.4%、鉄鉱石は4.1%上昇した。
投資財は0.5減となり、下げ幅は前月と変わりがなかった。前年同月を割り込むのは6カ月連続。スマートフォンとタブレットPCがそれぞれ11.4%、9.1%下落。機械は1.2%、計測・制御・ナビ機器等は1.6%上昇した。
耐久消費財は0.3%増だった。
非耐久消費財はプラス1.4%となり、上げ幅は前月を0.3ポイント下回った。
農産物は6.8%増となり、上げ幅は前月を1.3ポイント下回った。豚は60.1%上昇。穀物は4.4%落ち込んだ。
3月の輸入物価指数は前月比では3.5%減となり、3カ月連続で低下した。エネルギーは29.6%減で、エネルギーを除いた輸入物価は下落幅が0.6%だった。
3月の輸出物価指数は前年同月比が0.5%減、前月比が0.7%減となっている。