化学大手の独BASF(ルートヴィヒスハーフェン)が4月30日発表した2020年第1四半期(1~3月)の営業利益(EBIT、特別要因を除く)は前年同期比6%減の16億4,000万ユーロへと落ち込んだ。新型コロナ危機の直撃を受けた格好。特に最大の顧客産業である自動車の低迷が響いた。純利益は37%減って8億8,500万ユーロとなった。販売量が増えたこともあり、売上高は7%増の167億5,300万ユーロへと拡大している。
EBIT(同)を部門別でみると、ケミカル(石油化学、中間体)が43%減、マテリアル(機能性材料、モノマー)が35%減と足を強く引っ張った。川下分野の製品を取り扱う部門は好調で、表面技術(触媒、コーティング剤)は46%、栄養・ケア製品(ケアケミカルズ、栄養&健康)は14%、農業化学は9%の伸びを記録。産業ソリューション(ディスパージョン&顔料、パフォーマンスケミカルズ)も3%増えた。
マルティン・ブルーダーミュラー社長は、「新型コロナウイルスは世界をひっくり返した」と述べたうえで、第2四半期(4~6月)のEBITは最高でも1億ユーロのケタ台の前半にとどまり、最悪の場合は赤字に転落するとの見方を示した。
20年12月期の売上高で600億~630億ユーロ(前期実績593億ユーロ)、EBITで42億~48億ユーロ(同45億ユーロ)を見込むとした従来予測は撤回した。先行きを読めないことから新たな予測を現時点で提示することはできないとしている。