第1四半期GDPが11年来の大幅下落に、景気後退入り

ドイツ連邦統計局が15日発表した2020年第1四半期(1~3月)の国内総生産(GDP、暫定値)は物価・季節要因・営業日数調整後の実質で前期を2.2%下回った。減少幅はリーマンショックに端を発する金融・経済危機のさなかにあった09年第1四半期(同4.7%減)以来11年ぶりの規模で、東西ドイツ統一後で2番目に大きい。新型コロナウイルスの感染拡大とその対策が響いた格好だ。コロナ危機が深刻化した3月に経済が急減速した。

個人消費(民間最終消費支出)と設備投資が大幅に落ち込んだ。設備投資の減少幅は特に機械、機器、自動車分野で大きいという。政府が企業や自営業者、被用者に巨額の支援を行ったことから、政府最終消費支出はGDPの減少を緩和した。輸出と輸入はともに大きく落ち込んだ。

統計局は今回、新たな経済データを追加して19年のGDPを再計算。19年第4四半期(10~12月)の成長率を0.0%からマイナス0.1%へと下方修正した。今年第1四半期もマイナス成長となったことから、ドイツ経済は景気後退局面(2四半期以上続くマイナス成長)に入ったことになる。

昨年第3四半期(7~9月)の成長率については従来の02%から0.3%へと上方修正した。同第1四半期と第2四半期(4~6月)はそれぞれ従来と同じ0.5%、マイナス0.2%。19年全体の成長率も0.6%に据え置いた。

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