ドイツ鉄道が運行数を再び拡大、感染防止に配慮もマスク着用義務はなし

ドイツ鉄道(DB)がこれまで削減していた長距離列車の運行数を再び増やし始めている。新型コロナウイルス感染拡大防止策の緩和を受けて利用者が増加してきたためで、18日からはベルリン~ラインラント地方間の路線を1時間間隔で運行。月末から来月初頭の連休にかけては観光地行きの長距離列車の運行を開始する。長距離旅客事業を統括するミヒャエル・ペーターソン氏への取材をもとに『フランクフルター・アルゲマイネ』紙が報じた。

長距離列車の乗車率は現在20~30%で、コロナ危機前の平均57%を大幅に下回っている。それでも路線によっては乗車率が高く、5月第3週(11~17日)にはベルリン~ケルン/デュッセルドルフ間で50%を記録した。

感染防止に向けては、運行数と列車編成の拡大を通して乗客が他の乗客と可能な限り距離を取れるよう配慮している。ただ、空席を設ける措置は取っていない。誰が誰の隣・前に座るかを指示する権限を同社は持っていないためだ。社会的距離をめぐって乗客間に争いが生じた際は、車掌が間に入り仲裁。他人との距離に敏感な乗客がそれでも納得しない場合は「列車利用は現時点でお客様に適していないようです」と伝えるという。

車内清掃も強化しており、車庫では車両を全面的に殺菌している。また、運行中の車両内でもドアの取っ手やボタンなどの掃除を行っている。

マスクの着用は現時点で義務付けていない。国内16州のうち6州が長距離列車での着用を義務化していないことから、見合わせざるを得ない状況だ。ただ、乗客の多くは自主的に着用しているという。

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