ドイツ連邦統計局が9日発表した4月の輸出高(暫定値)は前年同月比31.1%減の757億ユーロとなり、統計を開始した1950年以降で最大の下落幅を記録した。新型コロナ危機の直撃を受けた格好。輸入高も21.6%減の722億ユーロと振るわず、2009年7月以降で最大の落ち込みとなった。
輸出の減少幅は新型コロナの感染が深刻化した国向けで大きく、フランスは48.3%、英国は42.1%、イタリアは40.1%、米国は35.8%に達した。地域別ではユーロ圏が36.7%と特に大きい。欧州連合(EU)のユーロ非加盟国は29.9%、EU域外は27.0%だった。
輸入高の減少幅もフランスとイタリアは大きく、それぞれ37.3%、32.5%に上った。英国は8.8%増、米国は2.4%増。中国は10.0%増の94億ユーロと大きく伸びた。
貿易収支の黒字幅は35億ユーロで、前年同月の178億ユーロから80.3%縮小した。経常黒字も62.6%減の77億ユーロへと大きく落ち込んでいる。
1~4月の輸出高は4,007億ユーロで、前年同期を10.1%下回った。ユーロ圏向けが13.5%減少。EUのユーロ非加盟国とEU域外向けもそれぞれ6.1%、8.7%後退した。
1~4月の輸入高は7.5%減の3,454億ユーロで、減少率はユーロ圏が11.0%、EUのユーロ非加盟国が10.1%、EU域外が3.7%だった。貿易黒字は23.6%減の553億ユーロ、経常黒字は13.2%減の737億ユーロへと縮小している。