生産者物価の下げ幅、5月は2.2%に拡大

ドイツ連邦統計局が19日発表した5月の生産者物価指数は前年同月比2.2%減となり、下げ幅は前月の1.9%から拡大した。前年同月を割り込むのは4カ月連続。新型コロナ危機を受けてエネルギー価格が大幅に低下したことが最大の押し下げ要因だ。エネルギーを除いた同物価はマイナス0.3%と下げ幅が小さかった。

エネルギーは7.9%減となり、下げ幅は前月の同7.3%から拡大した。石油製品が27.5%低下。航空機燃料は68.3%、灯油は47.1%、液化石油ガスは42.7%、自動車燃料は22.8%落ち込んだ。

天然ガスも13.4%減と2ケタ台の落ち込みとなった。産業向けが25.8%、再販事業者向けが16.2%下落した。

電力は1.2%減だった。取引所価格が34.5%低下。特別契約顧客と再販事業者向けもそれぞれ5.5%、4.0%落ち込んだ。

中間財は2.6%低下した。銑鉄・鉄鋼・鉄合金が9.6%、化学原料が8.2%、紙が5.8%、穀物粉が3.5%下落。貴金属(25.6%増)とコンクリート・セメント・石膏(3.7%増)はこれまでに引き続き上昇した。

非耐久消費財は1.3%上昇したものの、上げ幅は前月の2.8%から縮小した。食料品の上昇率が前月の3.8%から1.5%に低下したことが反映された格好。上げ幅は砂糖で17.5%、食肉加工品で14.1%に上った。バターは25.2%、じゃがいも製品は8.6%、豚肉は7.2%下落した。

耐久消費財は1.5%増、投資財は1.3%増だった。

生産者物価は前月比でも0.4%下落し、4カ月連続で落ち込んだ。エネルギーが1.2%低下。エネルギーを除いたベースでは下げ幅が0.2%だった。

エネルギー以外の財では非耐久消費財の下げ幅が1.1%と大きかった。新型コロナ危機で上昇していた食料品価格が低下したことが背景にある。中間財は0.1%減、耐久消費財と投資財は横ばいだった。

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