フォルクスワーゲン(VW)の高級車子会社ポルシェは1日、無人輸送システムを手がける独新興企業セルヴァ・トランスポート・システムズを買収すると発表した。セルヴァはポルシェが本社所在地シュツットガルトに建設した工場に設備を供給した企業。新型コロナ危機の直撃を受けて経営破綻したことから、ポルシェは同社を買収し新工場の運営に支障が生じないようにする。独禁当局の承認を得て傘下に収める。
セルヴァは2010年の設立で、従業員数は70人。VW傘下のアウディや、デュッセルドルフ空港などを顧客に持つ。新型コロナウイルスの感染拡大を受けて中国企業から大型受注をキャンセルされたことから、会社更生手続きの適用を裁判所に申請していた。
ポルシェの新工場では同社初の電動スポーツ車「タイカン」を生産している。生産ホールではセルヴァ製の無人輸送システムがモーターやコックピットのほか、各種の小規模な部品を生産ラインに供給する。
ポルシェは買収後もセルヴァの社名を維持する。セルヴァの顧客企業への製品供給が滞りなく行われるようにすると強調している。