5月小売売上が前月比14%増に、営業制限の反動で

ドイツ連邦統計局が1日発表した5月の小売売上指数(自動車販売店を除く、暫定値)は物価・営業日数・季節要因調整後の実質で前月比13.9%増となり、統計を開始した1994年以降で最大の伸びを記録した。3月と4月は新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐための営業制限で多くの店舗が休業を余儀なくされており、その反動が出た格好だ。

小売売上は前年同月比(物価調整値)でも3.8%増加した。比較対象の2019年5月に比べ営業日数が1日少なかったにもかかわらず、大きく伸びた。増加幅が最も大きかったのは通販で、28.7%に達した。

家具・家電販売店/ホームセンターも8.6%増と伸び率が大きかった。実店舗の営業が禁止されていた期間は必要とする製品を消費者が購入できなかったことや、外出規制でガーデニングや日曜大工に精を出す人が増えたことが背景にある。

食品・飲料・たばこ販売店も4.9%増と好調だった。特にスーパーマーケットは6.4%増と伸び率が大きかった。

繊維・衣料品・靴・革製品販売店は22.6%減と大幅に落ち込んだ。休業で春夏物の在庫を大量に抱え込んだ衣料品店などが安売りを余儀なくされていることが響いた格好だ。感染リスクを恐れて人との不要な接触を避ける市民は最新のファッションに関心が向かないという事情も大きい。

1~5月の小売売上は物価調整後の実質で前年同期を1.2%上回った。食料品店が6.4%増えて全体をけん引。非食料品店は1.9%減少した。

非食料品店では繊維・衣料品・靴・革製品販売店が32.6%減と特に振るわなかった。家具・家電販売店/ホームセンターも4.1%落ち込んでいる。一方、通販は17.4%増加。コスメティック・医薬品・医療用品販売店も2.9%伸びた。

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