上期機械輸出15%減少

ドイツ機械工業連盟(VDMA)が18日発表した同国の1-6月期(上半期)の機械輸出高は778億ユーロとなり、前年同期比で15.0%減少した。新型コロナ危機が響いた格好。足元の欧州で危機が深刻化した第2四半期は減少幅が23.7%に達した。

上半期の輸出高はすべての仕向け先地域で減少した。欧州連合(EU、1月に離脱した英国を除く)向けは17.3%縮小。その他の欧州(11.3%減)と北米(10.4%減)も2ケタ減となった。東アジアは7.5%減と減少幅が比較的小さかった。

国別では新型コロナ感染症の影響が特に大きかった英国(25.9%減)、イタリア(22.5%減)、スペイン(21.8%減)、フランス(20.1%減)向けが大幅に減少。米国向けは10.9%減、中国向けは8.3%減だった。ロシア(4.5%増)は上位10カ国のなかで唯一、増加した。プロセス産業からの大型受注で水準が押し上げられたためで、VDMAは増加が持続する見通しはないとしている。

製品分野別では工作機械が32.9%減と特に大きく落ち込んだ。精密工具(23.7%減)、建設機械・建築資材製造機械(18.2%減)、物流・ロジスティックス技術(16.9%減)も減少幅が平均を上回った。

機械輸出の減少幅は6月に12.0%(前年同月比)となり、4~5月に比べ縮小した。ただ、需要が本格回復する兆しは出ていない。VDMAの主任エコノミストは、正常化には輸出先国で新型コロナ危機が収束し投資環境が改善する必要があると指摘。回復の道のりは厳しいとの見方を示した。

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