電機業界受注、7月は減少幅が5.9%に拡大

独電気電子工業会(ZVEI)が8日発表した独電機業界の7月の新規受注高は前年同月比5.9減となり、下げ幅は前月の同1.1%から拡大した。ユーロ圏(ドイツを除く)が9.9%、ユーロ圏外が9.2%減少。国内は1.6%減と下げ幅が小さかった。

1~7月の新規受注高は前年同期を9.3%下回った。国内が4.4%、国外が13.1%縮小。国外の内訳はユーロ圏が13.2%減、ユーロ圏外が13.0%減だった。

7月の業界生産高は物価調整後の実質で前年同月比9.5%減となり、減少幅は前月の5.8%から拡大へと転じた。1~7月は前年同期比8.8%減だった。

8月の生産計画(先行き3カ月)で「拡大」を予定する企業の割合は前月の26.5%から17.8%へ低下した。「縮小」は同22.1%から18.6%へと下がったものの、拡大の割合から縮小の割合を引いた数(ディフュージョン・インデックス=DI)はプラス4.5ポイントからマイナス0.8ポイントへと悪化し、再びマイナスへと沈んだ。

同DIを部門別でみると、娯楽家電(+65.2ポイント)、白物家電(+44.0ポイント)、情報機器(+19.8ポイント)でこれまでに引き続き数値が高かった。また、通信機器は前月のマイナス44.1ポイントからプラス57.8ポイントへと大幅に好転した。照明(-44.2ポイント)、電気駆動装置(-24.3ポイント)、エネルギー機器(-11.7ポイント)は振るわなかった。

7月の業界売上高は前年同月比7.3%減の149億ユーロとなり、減少幅は前月の4.2%から拡大した。ユーロ圏外が10.8%後退。ユーロ圏は4.0%減、国内は5.9%減だった。

1~7月の売上高1,004億ユーロで、前年同期を8.4%割り込んだ。ユーロ圏が10.8%、ユーロ圏外が8.0%、国内が7.5%減少した。

8月の業界景況感指数(現状判断指数と期待指数の中央値)は前月のマイナス11.1からマイナス8.2へと上昇し、4カ月連続で改善した。現状判断指数(現状を「良い」とする回答から「悪い」とする回答を引いた数=DI)がマイナス29.4ポイントからマイナス22.8ポイントと改善したため。期待指数(今後6カ月の見通しが「良い」とする回答から「悪い」とする回答を引いた数=DI)は2カ月連続でプラスの領域に踏みとどまったものの、前月の9.1ポイントから7.5ポイントへとやや低下した。

景況感指数は白物家電(+37.9)、娯楽家電(+32.5)、配線システム(+18.3)、情報機器(+10.5)の4部門が前月に引き続きプラスの領域を確保。このほか、医療機器(+10.3)、スイッチ・開閉装置(+7.5)、ケーブル(+5.6)もプラス組への仲間入りを果たした。

鉄道車両(-58.6)、電気駆動装置(-24.7)、照明(-24.4)、通信機器(-19.9)、計測機器・プロセスオートメーション(-19.5)、電子部品(-14.3)はマイナス幅が2ケタ台に達した。すべて現状判断が大きな足かせとなっている。

今後3カ月の輸出見通しを示す指数(DI)は前月の1.4ポイントから3.2ポイントへと上昇し、4カ月連続で改善した。計15部門のうち11部門がプラスの領域に入った。鉄道車両(+100ポイント)、白物家電(+37.7ポイント)、通信機器(+26.7ポイント)、娯楽家電(+26.1ポイント)、医療機器(+23.9ポイント)が特に好調だった。

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