独投資会社ロケット・インターネット(ベルリン)は24日に開催したバーチャル臨時株主総会で上場廃止を決議した。株価は新規株式公開(IPO)を実施した当時の半分以下に落ち込んでいることから、株主からは強い批判が出たが、経営陣の出資比率が高いこともあり約81%の賛成多数で承認された。11月初旬にも上場を廃止する。
ロケット・インターネットはネットビジネス分野のスタートアップに出資する投資会社。これまでにファッション通販のツァランド、食材通販のハロー・フレッシュ、出前仲介プラットホームのデリバリー・ヒーローなどの出資し、IPOを成功させてきた。
自らも事業拡大に向けて2014年にIPOを実施したものの、業績は思うように拡大していない。24日の終値は18.60ユーロと、公開価格(42.50ユーロ)を56%下回っている。
同社は上場廃止の狙いを◇上場の継続に伴い発生するコストを削減する◇企業としての行動の自由度を高め同社と経営資源のポテンシャルを引き出す――と説明した。株式市場に頼らなくても低コストで資金を調達できるようになっていることも今回の決定を後押しした。
同社は株主から株式を買い取る。買い取り価格は法律に基づく最低価格の18.57ユーロで、市場での取引価格と同水準。株主は買い取りに応じるか、上場廃止後も株主にとどまるかの選択を迫られることになる。