自動車部品大手の独コンチネンタル(ハノーバー)は9月30日の監査役会で、独西部のアーヘンにある乗用車タイヤ工場の閉鎖を正式決定した。自動車業界の構造転換とコロナ危機に対応するための措置の一環。過剰生産能力を削減し、競争力を長期的に保てるようにする狙いだ。来年末で生産を停止する。
欧州の乗用車タイヤ市場は2017年から低迷している。自動車生産台数の減少を背景にタイヤ業界全体の生産能力は需要を上回っており、価格圧力は高い。
コンチネンタルも同地で余剰な生産能力を抱えており、これが財務を圧迫している。今後5~10年は状況改善の見通しが立たず、現状を放置すると過剰生産能力が長期的に約1,500万本へと達することから、経営陣は生産能力の圧縮を決めた。
アーヘン工場は生産能力が年800万本。同社の乗用車タイヤ工場のなかで最も小さく、コスト構造が最も悪いことから、閉鎖対象となった。同工場の従業員の90%に当たる1,800人が生産停止の影響を受ける。