独電気電子工業会(ZVEI)が8日発表した独電機業界の8月の新規受注高は前年同月比12.4%減となり、下げ幅は前月の同5.9%から拡大した。ユーロ圏(ドイツを除く)が26.9%減少して足を強く引っ張った格好。ユーロ圏外と国内もそれぞれ10.7%、5.6%落ち込んだ。
1~8月の新規受注高は前年同期を10.3%下回った。ユーロ圏が15.6%、ユーロ圏外が13.2%、国内が5.5%の幅で縮小した。
8月の業界生産高は物価調整後の実質で前年同月比15.2%減となり、減少幅は前月の同9.5%から拡大した。1~8月は前年同期比10.2%減だった。
9月の生産計画(先行き3カ月)で「拡大」を予定する企業の割合は前月の17.8%から26.2%へと伸びた。「縮小」は同18.6%から12.8%へと低下したことから、拡大の割合から縮小の割合を引いた数(ディフュージョン・インデックス=DI)はマイナス0.8ポイントからプラス12.8ポイントへと上昇した。同DIがプラスの領域に入るのは2カ月ぶり。
同DIを部門別でみると、配線システム(+59.6ポイント)、白物家電(+59.4ポイント)、照明(+36.0ポイント)、計測機器・プロセスオートメーション(+20.5ポイント)、情報機器(+19.3ポイント)で数値が特に高かった。計15部門のうちマイナスとなったのは電子部品(-10.6ポイント)とケーブル(-5.6ポイント)の2部門だけだった。
8月の業界売上高は前年同月比14.0%減の132億ユーロとなり、減少幅は前月の7.3%減から拡大した。国内が16.1%、ユーロ圏が10.1%、ユーロ圏外が13.2%落ち込んだ。
1~8月の売上高1,128億ユーロで、前年同期を9.7%割り込んだ。国内が9.4%、ユーロ圏が11.7%、ユーロ圏外が9.0%減少した。
9月の業界景況感指数(現状判断指数と期待指数の中央値)は前月のマイナス8.2からマイナス0.6へと上昇し、5カ月連続で改善した。現状判断指数(現状を「良い」とする回答から「悪い」とする回答を引いた数=DI)がマイナス22.8ポイントからマイナス17.4ポイント、期待指数(今後6カ月の見通しが「良い」とする回答から「悪い」とする回答を引いた数=DI)も前月のプラス7.5ポイントからプラス17.8ポイントへと好転した。
景況感指数は白物家電(+64.5)、娯楽家電(+57.1)、情報機器(+22.7)で特に高かった。これら3部門は現状判断と期待指数がともに高水準にある。プラスの領域に入ったのは計9部門だった。
鉄道車両(-58.6)、通信機器(-49.9)、電気駆動装置(-17.4)、電子部品(-14.1)、ケーブル(-4.7)、照明(-4.6)の6部門はマイマスの領域に沈んだ。ケーブルを除き現状判断が大きな足かせとなっている。
今後3カ月の輸出見通しを示す指数(DI)をみると、9月は前月のプラス3.2ポイントからプラス10.9ポイントへと上昇し、5カ月連続で改善した。計15部門のうち12部門がプラスの領域に入っている。鉄道車両(+100ポイント)、通信機器(+92.7ポイント)、配線システム(+41.3ポイント)、白物家電(+39.6ポイント)、照明(+35.7ポイント)、娯楽家電(+33.3ポイント)が特に好調だった。