企業景況感6カ月ぶりに悪化、国内外のコロナ感染急増受けて

Ifo経済研究所が26日発表した10月のドイツ企業景況感指数(2015年=100)は92.7となり、前月を0.5ポイント下回った。同指数の減少は全国的なロックダウンが実施されていた4月以来で6カ月ぶり。新型コロナウイルスの新規感染者数がドイツを含む欧州で急速に増え続けていることが響いた格好だ。クレメンス・フュスト所長は「感染者数の増加を受けて独経済界の懸念は強まっている」と述べた。

今後6カ月の見通しを示す期待指数が2.4ポイント減の95.0と大きく落ち込んだ。現状判断を示す指数は1.1ポイント増の90.3となり、5カ月連続で上昇した。

現状を「良い」と判断する企業の割合から「悪い」の割合を引いた数(DI)と、今後6カ月の見通しを「良い」とする割合から「悪い」の割合を引いた数(DI)の中央値は2.6となり、3カ月連続でプラスの領域に入った。最悪期の4月(-35.5)に比べると38.1ポイント高い水準にある。ただ、前月からは1.2ポイント低下している。

同中央値は調査対象4業種のうち流通を除く製造、サービス、建設の3業種でプラスの領域にある。製造は19年6月以来、1年4カ月ぶりにプラスの領域に復帰した。流通は前月のプラス0.3からマイナス0.1へと落ち込んだ。

製造業輸出見通しも悪化

一方、Ifoが27日に発表した独製造業の10月の輸出期待指数(DI)は前月の10.3ポイントから6.6ポイントへ減少した。同指数の低下は2カ月ぶり。フュスト所長は「新型コロナウイルス感染者数の世界的な増加は輸出産業の懸念を強めている」と述べた。

Ifoは月例の企業景況感指数調査の一環でメーカー約2,300社を対象に今後3カ月の輸出見通しを質問。メーカーは「増加する」「横ばい」「減少する」のなかから1つを選んで回答する。「増加」回答の割合から「減少」回答の割合を引いた数が輸出期待指数となる。

10月は食品・飲料と繊維・医療品業界で輸出減を見込む企業が多かった。一方、電子・光学機器は輸出増を予想する企業が大きく増加。化学も輸出増との回答が輸出減を上回った。

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