ドイツ連邦統計局と連邦経済省が5日発表した9月の製造業新規受注指数(2015年=100)は物価・季節要因・営業日数調整後の実質で99.9(暫定値)となり、前月を0.5%上回った。同指数の増加は5カ月連続。統計上のブレが小さい大型受注を除いたベースでは増加幅が4.5%に達した。経済省は「9月は経済回復プロセスが広い範囲に及び、国内・国外の需要に支えられている」との見方を示した。
国内受注が2.3%、ユーロ圏外の受注が2.7%伸びた。ユーロ圏(ドイツを除く)は14.7%増となった前月の反動で6.0%落ち込んだ。
部門別では中間財が4.0%増えて全体をけん引した。ユーロ圏(同)とユーロ圏外がそれぞれ5.3%、5.5%増加。国内も2.5%拡大した。
投資財は2.0%落ち込んだ。ユーロ圏(同)が13.7%減少して足を強く引っ張った格好だ。国内は2.4%、ユーロ圏外は0.9%伸びた。
消費財はユーロ圏外が10.8%増加したことから2.6%拡大。国内とユーロ圏(同)はそれぞれ0.6%、1.8%落ち込んだ。
9月の製造業新規受注指数は新型コロナウイルス感染症が流行する直前の2月に比べるとなお2.6%低い水準にあるものの、最悪期の4月は同38.0%も下回っており、回復が進んでいるのは明らかだ。自動車業界は2月を5.8%も上回った。
一方、機械は前月比で3.7%減少した。2月に比べると8.2%低い水準にある。企業の設備投資抑制の影響を強く受けている。
7-9月期(第3四半期)の製造業新規受注指数は前期比で実質29.1%増加した。国内が15.5%、ユーロ圏(同)が41.0%、ユーロ圏外が40.4%の幅で伸びた。