ドイツ連邦統計局と連邦経済省が4日発表した10月の製造業新規受注指数(2015年=100、暫定値)は物価・季節要因・営業日数調整後の実質で前月比2.9%増の103.4となり、新型コロナウイルスの感染が本格化する直前に当たる2月(102.6)を0.8%上回った。2月の指数を超えるのはコロナ禍の発生後初めて。改善は6カ月連続で、10月の指数は直近の底である4月(64.7)に比べると38.7ポイント高い。
前月比の伸び率が最も大きかった地域はユーロ圏外で、4.8%に達した。国内は同2.4%、ユーロ圏(ドイツを除く)は0.5%だった。
部門別では投資財が3.8%、中間財が2.3%の幅で伸びた。中間財の増加は6カ月連続。消費財は2.2%減となり、3カ月ぶりに落ち込んだ。
10月の製造業新規受注はコロナ禍の影響が実質的になかった2019年10-12月期(第4四半期)の平均(物価・季節要因・営業日数調整値)に比べると約3%高かった。自動車と機械業界は増加幅がそれぞれ約8%、5%に上っている。
製造業新規受注を特殊要因によるブレが小さい2カ月単位の比較でみると、9~10月は前の期の7~8月を実質5.0%上回った。すべての地域で増加。増加幅は国内が5.4%、ユーロ圏が1.4%、ユーロ圏外が6.9%に上った。
統計局は今回、9月の新規受注を当初の前月比0.5%増から同1.1%増へと上方修正した。航空宇宙分野の大型受注に関するデータの届け出が事後的にあったことから、数値が上振れした。
統計局によると、製造業の10月の売上高(暫定値)は物価・季節要因・営業日数調整後の実質で前月を4.0%上回った。2月に比べると4.6%低い。