ドイツ連邦統計局が11日発表した11月の消費者物価指数(確定値)は前年同月比で0.3%低下し、インフレ率は2015年1月以来の低水準となった。物価の下落は3カ月連続。新型コロナ危機対策の一環で付加価値税(VAT)が7月1日から引き下げられたことがこれまでに引き続き大きな押し下げ要因となった。
物価の足を強く引っ張った項目はエネルギーで、7.7%低下した。暖房用灯油が35.1%減、自動車燃料が13.1%減と石油製品で下落幅が大きい。天然ガスは1.9%減、電力は1.7%増。エネルギーを除いたインフレ率は前月と同じ0.6%だった。
食料品は1.4%上昇した。食肉・肉製品が3.9%、果物が3.7%アップ。野菜は上げ幅が前月の1.5%から2.6%へと拡大した。エネルギーと食料品を除いた基礎インフレ率は前月と同じ0.5%だった。
電話機は6.7%、娯楽家電は4.5%、食用油脂は3.8%、衣料品・靴は2.2%低下した。
消費者物価に占める比重が53%に上るサービスは1.1%増となり、上げ幅はインフレ率を大きく上回った。宝くじは上げ幅が13.7%、金融サービスは同6.7%、在宅介護は6.5%に上った。長距離鉄道料金はVATが年初と7月にそれぞれ引き下げられ前年同月の19%から5%へと低下したことから、下げ幅が17.5%に達した。
消費者物価は前月比では0.8%低下した。エネルギーが1.0%下落。エネルギーを除いたベースでは下げ幅が0.7%だった。
欧州連合(EU)基準のインフレ率は前年同月比がマイナス0.7%、前月比がマイナス1.0%だった。