独自動車大手ダイムラーの商用車子会社ダイムラー・トラック(シュツットガルト)は10日、燃料電池トラック向けの次世代液化水素補給技術の開発で工業ガス大手のリンデと協業すると発表した。水素を簡単に補給できる技術を開発することで、補給技術の国際標準を確立するとともに、水素燃料電池トラックの受容を促進する狙いだ。
両社は燃料電池トラックの利便性・実用性を高めるために、エネルギー密度が高く補給時間が短い液化水素補給技術を開発する。2023年にドイツにパイロットステーションを設置。プロトタイプ車を用いて補給試験を行う。
ダイムラー・トラックは9月、燃料電池トラックのコンセプトカー「GenH2 Truck」を世界初公開した。長距離輸送での利用を想定したモデルで、1回の水素燃料のフル充填で約1,000キロメートルを走行できる。23年に顧客による試験運用を予定しており、20年代後半から量産化する計画だ。
同社は燃料電池トラックの燃料に気体水素でなく液体水素を投入する。タンクを小型・軽量化できるメリットがあるためで、積載量とスペース、および走行距離を拡大できるとしている。