機械業界が生産予測を上方修正

ドイツ機械工業連盟(VDMA)は8日、独業界の生産予測を引き上げた。7-9月期(第3四半期)の状況が想定よりも良好だったためで、2020年の実質成長率を従来の前年比17%減から14%減へと上方修正。21年についてもプラス2%から同4%へと引き上げた。

20年の名目生産高については14%減の1,970億ユーロを見込む。来年は4%増の2,050億ユーロに拡大する見通しだが、19年実績を10%、過去最高となった18年を12%下回る。

VDMAは21年予測について、リスク要因が多く下振れする可能性があることを明らかにした。具体的には◇グローバル経済の先行き不透明感◇くすぶり続ける保護主義◇自動車業界の構造転換に伴う設備投資の抑制――を懸念材料としている。

今年1~10月の新規受注高は前年同期比で実質14%減少した。国内が8%、国外が17%の幅で後退。国外の内訳はユーロ圏が14%減、ユーロ圏外が18%減だった。

1~9月の売上高は名目1,467億ユーロとなり、前年同期を12.7%下回った。

今年末時点の業界就労者数は約102万5,000人(雇用規模50人超の企業が対象)となり、前年同日を3.6%(3万8,000人)下回る見通し。VDMAのカール・ホイスゲン会長は、コロナ禍の直撃で多くの機械メーカーが数十年来の厳しい状況に置かれているなかで、人員削減の規模を小幅に抑えているとの見方を示した。雇用を維持するために国が行う操短手当などの支援策の効果が大きいとしている。

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