Ifo経済研究所が12月18日発表した同月のドイツ企業景況感指数(2015年=100)は92.1となり、前月を1.2ポイント上回った。同指数の改善は3カ月ぶり。Ifoのクレメンス・フュスト所長は「ロックダウン(都市封鎖)の影響を強く受ける業界もあるものの、ドイツ経済は全体的にみて耐性力を示している」と述べた。
現状判断を示す指数が1.3ポイント増の91.3、今後6カ月の見通しを示す期待指数が1.0ポイント増の92.8へとともに上昇した。
現状を「良い」と判断する企業の割合から「悪い」の割合を引いた数(DI)と、今後6カ月の見通しを「良い」とする割合から「悪い」の割合を引いた数(DI)の中央値は1.2となり、前月マイナス1.3から2.5ポイント改善した。
製造業は8.9となり、前月の4.0から4.9ポイント上昇した。改善は8カ月連続。最低だった4月(-41.9)からの上昇幅は50.8ポイントに上る。現状判断は1月以来の高水準に達し、先行き見通しも大きく上昇した。特に化学、機械が好調だ。Ifoの研究者はロイター通信に、製造業の受注状況は極めて良好で、景況感を底上げしていることを明らかにした。
サービス業は前月のマイナス3.1からマイマス0.4へと2.7ポイント上昇した。運輸・物流など製造業に近い分野と不動産で調子が良い。コロナ禍の直撃を受ける飲食・宿泊、旅行、文化は依然として振るわない。
流通業界の数値も前月のマイナス4.0からプラス0.3へと4.3ポイント上昇した。製造業に近い卸売分野が全体をけん引。小売は現状判断が改善したものの、先行き見通しは悪化した。調査対象企業の半数以上はコロナ制限措置の強化前に回答しており、本格的なロックダウン導入の影響は部分的にしか反映されていない。
建設業は前月と同じマイナス0.5にとどまった。現状判断は改善したものの、先行き見通しが悪化した。