化学・製薬業界売上、今年は2.5%増加見通し

独化学工業会(VCI)は12月16日、同国の化学・製薬業界の売上高が2021年は前年比2.5%増となり、拡大に転じるとの予測を発表した。需要の安定が続いているうえ、会員企業アンケート調査で売上増を見込む企業が多かったためだ。

同調査では21年に国内売上増を予想する企業の割合が51%に達し、売上減の27%を大幅に上回った。欧州売上についても増加が48%に上ったのに対し減少の27%にとどまった。欧州域外では増加が57%で、減少(17%)の約3.4倍に達した。VCIはこれを踏まえ、国内売上が2.5%、国外が同3.0%増えると予想している。生産高は1.5%増、出荷価格は1.0%の上昇を見込む。

業界の雇用規模に関しては1%減少すると見込んでいる。業界の構造転換が新型コロナ危機で加速したためと説明している。

20年の業界売上高については前年比6.0%減の1,864億ユーロに後退するとの見通しを示した。クリスティアン・クルマン会長は、化学・製薬業界が受けた新型コロナの打撃は他の業界に比べ小さいものの、「会員企業の負担は極めて大きい」と述べた。国内売上高が5.5%減の700億ユーロ、国外が同6.5%減の1,164億ユーロに縮小する見通し。生産高は3.0%減、出荷価格は2.0%の低下を見込む。

生産高はすべての部門で減少する。減少幅はポリマー(-6.5%)、無機化学品(-6.0%)、ファイン・スペシャル化学品(-5.5%)で特に大きい。洗剤/ボディケア・コスメティック用品は2.5%、石油化学品と誘導体は1.5%、医薬品は0.5%縮小する見通し。

新型コロナの痛手から業績が回復する時期に関しては22年を予想する企業が最も多く、41%に上った。21年は25%で、「20年中に回復した」は17%だった。「23年以降ないし二度と回復しない」は6%にとどまった。

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