ライフサイエンス大手の独メルクは7日、医薬品製剤開発・製造支援事業(CDMO)の有力企業である独アンプテック(AmpTec)を買収すると発表した。ワクチン、治療薬、診断薬に投入される伝令RNA(mRNA)の開発・生産能力を強化する。買収金額は非公開。
アンプテックは独北部のハンブルクに事業拠点を持つ2005年設立の企業。ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)をベースにmRNAを製造する技術を持つ。従業員数は40人強。
メルクは新型コロナウイルス用ワクチンを含むmRNA医薬品の製剤に欠かせない脂質分野に強く、50以上のワクチンメーカーに協力。新型コロナ用ワクチンの開発、製造などを支援している。
同社はアンプテックを買収することで、mRNAのバリューチェーン全体をカバーする総合的な事業体制を構築。新製品の市場投入に要する時間を顧客企業が短縮できるようにする。