景気回復ひとまず休止、企業景況感が大幅悪化 小売業で急速な冷え込み、ロックダウン強化で

Ifo経済研究所が25日発表した1月のドイツ企業景況感指数(2015年=100)は9.01となり、前月を2.1ポイント下回った。同指数の悪化はロックダウンが再導入された11月以来で、2カ月ぶり。12月16日からロックダウンの規制が強化され、小売・サービス事業者の大半が店舗営業を禁止されたことが響いた格好だ。Ifoのクレメンス・フュスト所長は「コロナの感染第2波はドイツ経済の回復をひとまず休止させた」との見方を示した。

現状判断を示す指数が2.1ポイント減の89.2、今後6カ月の見通しを示す期待指数が1.9ポイント減の91.1と、ともに大きく落ち込んだ。

現状を「良い」と判断する企業の割合から「悪い」の割合を引いた数(DI)と、今後6カ月の見通しを「良い」とする割合から「悪い」の割合を引いた数(DI)の中央値はマイナス3.0となり、前月1.4から4.4ポイント悪化した。同指数がマイナスの領域に沈むのは2カ月ぶり。

製造業は同8.8となり、前月から03ポイント低下した。現状判断はこれまでに引き続き大きく上昇したものの、先行き見通しが大幅に悪化し、全体がやや押し下げられた。工場稼働率は平均81.8%で、前月を1.6ポイント上回った。ただ、長年の平均である83.5%を依然として下回っている。

サービス業では現状判断のDIから先行き見通しのDIを引いた数がマイナス4.4となり、前月を4.0ポイント下回った。特に今後の見通しが大きく落ち込んだ。受注残高は運輸・物流を中心に低迷している。

流通業は前月の0.3からマイナス17.2へと17.5ポイント悪化した。減少幅は5月以降で最大。食料品店やドラッグストアなど一部の例外を除き店舗営業が禁止されたことが大きい。

建設業も前月のマイナス0.8からマイナス5.1へと4.3ポイント落ち込んだ。現状判断と先行き見通しがともに悪化した。

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