ハイデルベルガー―電動車充電器の生産能力倍増―

印刷機械大手の独ハイデルベルガー・ドルックマシーネンは20日、電動車の家庭用充電器(ウォルボックス)の第2生産ラインをヴィースロッホ-ヴァルドフル工場で稼働させたと発表した。電気自動車(EV)・プラグインハイブリッド車(PHV)市場の急成長を背景に需要が速いスピードで伸びていることに対応。生産能力を4月までに従来の2倍の年3万5,000個強に拡大する。構造不況に悩む本業を補う事業に将来、成長することが期待されている。

同社は印刷機械で培った電力管理のノウハウを活用して2018年にウォルボックスの生産・販売を開始した。現在は充電ケーブルが1本の「ホーム・エコ」と2個以上のウォルボックスを制御する「エネルギー・コントロール」を手がけている。エネルギー・コントロールは集合住宅やホテル、企業、駐車場向けの製品で、最大16台の充電を同時に行うことができる。

両製品は電気販売店や電力事業者のほか、ネット通販大手のアマゾンでも販売している。価格は「ホーム・エコ」が499ユーロから、エネルギー・コントロールが790ユーロから。設置費用も含め政策金融機関KfWバンクの助成を受けることができる。発売からこれまでに3万5,000個以上を販売した。

今後は国外市場も開拓する意向で、今年はすでに欧州の複数の国で販売を開始した。米国、中国市場への参入準備も進めている。

ウォルボックスの売上高は1,500万ユーロ。ハイデルベルガーの売上全体(24億ユーロ)からみると小さいものの、電動車が本格普及期に入ったことから、需要は急速に拡大していく見通しだ。同社は年20%超の成長を見込んでいる。

上部へスクロール