ドイツ政府が新型コロナウイルスの治療薬を米国の製薬会社2社から調達する。両社の製品は米食品医薬品局(FDA)の緊急使用許可を得ているものの、欧州連合(EU)では現時点で承認されておらず、患者に投与されればEUで初めてとなる。イエン・シュパーン保健相が日曜版『ビルト』紙に明らかにした。
ドイツが調達するのはイーライリリーの「バムラニビマブ(Bamlanivimab)」と、リジェネロン・ファーマシューティカルズの「カシリビマブ(Casirivimab)」「イムデビマブ(Imdevimab)」。カシリビマブとイムデビマブは混合して投与するカクテルタイプの医薬品で、米国のトランプ前大統領の治療に投入されたことで知られる。両社の製品は人工的に作ったモノクローナル抗体をベースとしている。
独政府は両社の製品を計20万回分、発注した。取引価格は4億ユーロ。第一弾として1万8,000回分を近日中に受け取り、大学病院に供給する。シュパーン保健相は、疾患の初期段階で投与すれば重症化を防げる可能性があると語った。