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2021/2/24

総合 - ドイツ経済ニュース

企業景況感が大幅改善、製造業けん引

この記事の要約

Ifo経済研究所が22日発表した2月のドイツ企業景況感指数(2015年=100)は92.4となり、前月を2.1ポイント上回った。同指数の改善は2カ月ぶり。前月は新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐために制限措置が強化された […]

Ifo経済研究所が22日発表した2月のドイツ企業景況感指数(2015年=100)は92.4となり、前月を2.1ポイント上回った。同指数の改善は2カ月ぶり。前月は新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐために制限措置が強化されたことで大きく落ち込んだが、2月は反発。Ifoのクレメンス・フュスト所長は「ドイツ経済はロックダウンにもかかわらず力強さを示している。特に製造業の強力な好景気の効果で」と述べた。

現状判断を示す指数が1.4ポイント増の90.6、今後6カ月の見通しを示す期待指数が2.7ポイント増の94.2と、ともに大きく上昇した。

現状を「良い」と判断する企業の割合から「悪い」の割合を引いた数(DI)と、今後6カ月の見通しを「良い」とする割合から「悪い」の割合を引いた数(DI)の中央値(景況感指数)は1.9となり、前月マイナス2.5から4.4ポイント改善した。同指数がプラスの領域に戻るのは2カ月ぶり。

製造業は同16.1となり、前月か7.0ポイント上昇した。先行き見通しが特に大きく好転した。景況感はすべての主要業界で改善している。

サービス業でも現状判断と先行き見通しがともに改善。コロナ禍の直撃を受ける旅行業では休暇シーズンを控え先行き見通しがわずかながら好転した。飲食・宿泊業界では厳しい状況が続いている。

流通業の景況感指数は前月のマイナス17.2からマイナス14.6へと好転した。新規感染者数の減少を受けて先行き見通しがやや改善したことが大きい。ただ、食料品店やドラッグストアなど一部の例外を除く店舗営業の禁止が続いていることから、水準自体は依然として極めて低い。

建設業も前月のマイナス4.9からマイナス3.6へと改善した。先行き見通しが好転したため。寒波の到来で建設作業が滞ったことから現状判断はやや悪化した。

製造業の輸出見通し、18年9月以来の高水準に

一方、Ifoが23日に発表した独製造業の2月の輸出期待指数(DI)は前月の7.5ポイントから10.7ポイントとへ上昇し、2018年9月以来の高水準を記録した。フュスト所長は「中国経済の良好な状態と米国の生産拡大がドイツの輸出を支えている」と述べた。

Ifoは月例の企業景況感指数調査の一環でメーカー約2,300社を対象に今後3カ月の輸出見通しを質問。メーカーは「増加する」「横ばい」「減少する」のなかから1つを選んで回答する。「増加」回答の割合から「減少」回答の割合を引いた数が輸出期待指数となる。

2月は化学と機械・設備業界で輸出見通しが特に良好だった。自動車も4カ月ぶりに数値が好転。電気設備は18年2月以来2年ぶりの高水準となった。

家具と衣料品は厳しい状況が続いており、大幅な輸出減を見込む企業が多い。