商用車大手の独ダイムラー・トラックは23日、米エンジン大手カミンズと戦略協業の基本合意を締結したと発表した。中型エンジンの供給をカミンズから受け、同分野の開発・生産から撤退。パワートレイン分野の経営資源をゼロエミッション車と大型車に絞り込む。
欧州連合(EU)ではトラック・バスの新たな排ガス規制「ユーロⅦ」が2025年頃から導入され、規制が大幅に強化されると予想されている。このため新規制に対応するエンジンの開発には多額の投資が必要となる見通し。電動パワートレインの開発にも巨額の資金が必要なことから、ダイムラー・トラックは次世代中型エンジンの開発、生産を行わず、カミンズから調達することにした。
カミンズは西南ドイツのマンハイムにあるメルセデスベンツの工場敷地内にエンジン生産施設を建設。20年代後半からユーロⅦ対応のエンジンを生産し、ダイムラー・トラックに供給する。他の商用車メーカーにも販売する意向だ。ダイムラー・トラックはグローバルレベルでもカミンズから中型エンジンを調達する。
両社はさらに、パワートレインとエンジンシステム向けの部品分野でも協業の可能性を検討する。