機械輸出が11年来の大幅減に、20年は-12%

連邦統計局のデータをもとにドイツ機械工業連盟(VDMA)が19日発表した同国の2020年の機械輸出高は前年比12.0%減の1,600億ユーロ(暫定値)へと縮小し、11年ぶりの大幅下落となった。コロナ禍の直撃を受けて、主要国向けの輸出がほぼ軒並み減少した。中国の機械輸出高が1,650億ユーロ(同)に達したことから、ドイツは機械輸出世界トップから転落した。

20年の独機械輸出はすべての四半期で前年同期を下回った。減少幅は第1四半期が5.1%、第2四半期が22%、第3四半期が12.4%、第4四半期が8.2%となっている。第2四半期は新規受注の減少のほか、キャンセルとサプライチェーンの寸断も大きな足かせとなった。

輸出高を地域別でみると、足元の欧州向けが13.6%減少。欧州連合(EU)は同15.2%落ち込んだ。ロックダウン(都市封鎖)が多くの国で実施されたことが響いた格好だ。北米は10.1%減、ラテンアメリカは18.1%減、東南アジアは13.8%減だった。東アジアは4.2%減と減少幅が小さかった。

国別では最大の仕向け先である米国が9.3%減の182億ユーロへと後退した。2位中国は3.6%減の181億ユーロで、額は米国とほぼ同水準となっている。3位はフランスで15.2%減の107億ユーロへと落ち込んだ。日本は12.7%減の25億ユーロで18位。上位20カ国のなかで増加したのは14位のトルコ(7.1%増の36億ユーロ)と17位の韓国(0.2%増の29億ユーロ)だけだった。ポーランドは9.9%減の68億ユーロへと後退したものの、順位は前年の7位から5位へと上昇した。英国はロックダウンとEU離脱の影響で20.5%減の60億ユーロへと大きく縮小。6位から8位へと転落した。

主要12部門をみると、農業機械が1.0%増加したのを除いてすべて減少した。減少幅は工作機械が断トツで大きく29.4%に達した。これに精密工具(19.3%減)、物流技術(16.9%減)、フルードパワー(16.3%減)、建設機械・建築資材製造機械(13.7%減)、バルブ(10.6%減)が続いた。

20年の機械輸入高は670億ユーロで、前年を13.4%下回った。

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