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2021/3/3

総合 - ドイツ経済ニュース

世界経済回復で外需がけん引車に、10-12月期GDP0.3%増に上方修正

この記事の要約

ドイツ連邦統計局が2月24日発表した2020年10-12月期(第4四半期)の国内総生産(GDP)は物価・季節要因・営業日数調整後の実質で前期比0.3%増となり、速報値(同0.1%増)から0.2ポイント上方修正された。内需 […]

ドイツ連邦統計局が2月24日発表した2020年10-12月期(第4四半期)の国内総生産(GDP)は物価・季節要因・営業日数調整後の実質で前期比0.3%増となり、速報値(同0.1%増)から0.2ポイント上方修正された。内需の不振を外需が相殺し、2四半期連続でプラス成長を確保した。

第4四半期は新型コロナウイルス感染者の急増を受けて11月にロックダウン(都市封鎖)が再導入。12月には規制が一段と強化され、理容・美容店など至近距離で接客するサービス事業者の営業や、生活必需品以外の商品を取り扱う小売店、飲食店の店舗営業が禁止された。この影響で個人消費(民間最終消費支出)が3.3%減少し、GDPの足を強く引っ張った。政府最終消費支出と設備投資もそれぞれ0.5%、0.1%縮小している。建設投資は1.8%増加したものの、内需全体では前期を0.3%下回った。

輸出は4.5%増加し、輸入も3.7%伸びた。国内経済の低迷をよそに世界経済は中国の回復などがけん引車となり活性化している。

GDP成長率0.3%に対する項目別の寄与度をみると、外需(輸出-輸入)はプラス0.6ポイントに達した。内需はマイナス0.3ポイント。個人消費がマイナス1.8ポイントと全体を強く押し下げた。

粗付加価値は前期を0.2%下回った。流通・運輸・宿泊・飲食が4.4%低下したことなどが響いた。鉱工業は6.7%増、建設業も5.2%増と伸び率が大きかった。

統計局は20年のGDPについても上方修正した。物価調整後の実質伸び率を当初のマイナス5.0%からマイナス4.9%へと引き上げている。物価・季節要因・営業日数調整値に関してはマイナス5.3%に据え置いた。