メルセデスベンツ―主力工場を電動パワートレインのハブ拠点に―

独ダイムラーの乗用車・バン子会社メルセデスベンツは5日、本社所在地シュツットガルト・ウンターチュルクハイム地区のパワートレイン工場を電動パワートレインの中核拠点にすると発表した。二酸化炭素(CO2)の排出を差し引きでゼロにする炭素中立の実現に向けた取り組みの一環。これに伴いエンジン系パワートレインの生産を段階的に縮小していく。

ウンターチュルクハイム工場は同社最大のパワートレイン生産拠点。今後は4億ユーロ強を投じて電動パワートレインの研究、開発および生産立ち上げのハブ拠点「メルセデスベンツ・ドライブ・システムズ・キャンパス」へと改める。

これに伴い同拠点にリチウムイオン電池セルの少量生産施設と電池の安全性検査施設を開設する。同社は不採算を理由に電池セルの生産を2015年末に打ち切っており、再参入することになる。ただ少量生産のため、セルは基本的に今後もサプライヤーから調達する意向だ。

競合BMWはセルをより良く理解しサプライヤーと対等の立場で協働できるようにするため、ミュンヘンの電池セル研究センターでプロトタイプを生産している。メルセデスベンツも同じ狙いとみられる。

今回の決定に伴い、ウンターチュルクハイム拠点の従業員数は現在の1万8,000人から減少していく。同社は経営上の理由による整理解雇を回避しながら人員削減を進めるとしている。社内にとどまる従業員には再教育を施し、新たな業務分野に割り振る意向だ。

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