大型産業プラント業界、20年受注35%減少

ドイツ機械工業連盟(VDMA)は23日、同国大型産業プラント業界の新規受注高が昨年は前年比35%減の119億ユーロと大幅に落ち込んだことを明らかにした。コロナ禍を受けて顧客産業で投資が先送りされたことが響いた格好だ。

分野別でみると金属プラントが55%減と特に大きく後退。化学プラントと発電所もそれぞれ36%、29%落ち込んだ。交換部品・小規模受注では減少幅が72%に達した。

地域別でみると、国外は42%減の86億ユーロとなり、東西ドイツ統一直前の1989年の水準へと落ち込んだ。東欧を除くすべての地域が振るわず、主力市場の中国、インド、米国は近年で最低となった。旅行・接触制限が厳しい国が多く、保守サービスや商談が制限されている。

国内受注は9%減の32億ユーロと減少幅が相対的に小さかった。工場用のコンバインドサイクル発電設備受注が好調だったことが大きい。建材業界(85%減)、金属業界(62%減)、製紙業界(41%減)向けは大幅に落ち込んだ。

業界売上高は横ばいの163億ユーロで、売り上げに占める輸出の割合は72.7%だった。

今年は業界企業の90%以上が新規受注で横ばいないし増加を見込んでいる。新設備と近代化、サービスの需要が伸びる見通し。ただ依然として移動が制限されていることから、コロナ禍前の水準に回復する時期は23年になると予想する企業が多い。

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