ドイツ連邦陸運局(KBA)が7日発表した3月の乗用車新車登録台数は前年同月比35.9%増の29万2,349台と急拡大した。増加は3カ月ぶり。比較対象の昨年3月は第1回目のロックダウン(都市封鎖)が導入され新車販売が激減しており、その反動が出た格好。新型コロナ危機前の2019年3月に比べると15%低い水準にあり、回復し切れていない。1~3月は前年同期比6.4%減の65万6,452台へと落ち込んだ。
環境対応車はこれまでに引き続き好調で、購入補助金の対象となる電気自動車(EV)の3月の新車登録台数は前年同月比191.4%増の3万101台、プラグインハイブリッド車(PHV)も同277.5%増の3万5,580台と3ケタ台の伸びを記録。PHVを含むハイブリッド車(HV)全体では182.7%増えて8万1,220台となった。シェアはEVで10.3%、PHVで12.2%、HV全体で27.8%に達した。
ガソリン車は7.1%増の11万5,174台に拡大したものの、シェアは前年同月の50.0%から39.4%へと低下した。ディーゼル車は5.0%減の6万4,518台と振るわず、シェアは31.6%から22.1%へと落ち込んだ。
走行1キロメートル当たりの新車の二酸化炭素(CO2)排出量は126.2グラムで、前年同月から15.3%減少した。環境対応車が大幅に増えたことが大きい。
セグメント別でみると、超小型車(96.0%増)、SUV(65.5%増)、キャンピングカー(52.2%増)、中大型車(45.1%増)、小型車(39.7%増)で伸び率が大きかった。シェアではSUVが24.8%と全体の4分の1を占めた。これにコンパクトカーが17.8%で続いた。
増加率が特に大きかったブランドはEV専門のスマートで、304.4%増の2,592台を記録。アルファロメオも114.6%増の324台と3ケタ台の伸びとなった。これにプジョー(78.4%増の5,631台)、現代(76.0%増の1万527台)、オペル(75.1%増の1万8,998台)が続いた。
スマートとオペル以外のドイツ車もすべて増加した。各ブランドの実績はミニが58.0%増の5,872台、ポルシェが55.0%増の3,008台、VWが39.1%増の5万6,550台、メルセデスが36.7%増の2万7,520台、アウディが17.6%増の2万2,235台、BMWが17.0%増の2万3,445台、フォードが9.0%増の1万3,878台。
日本車ではマツダが50.5%増の4,587台と平均(35.9%増)を上回る伸びを確保した。このほかトヨタ(31.5%増の7,023台)、スズキ(17.2%増の2,315台)、レクサス(11.2%増の307台)、日産(8.5%増の4,149台)が前年同月を上回った。スバル(9.8%減の471台)、三菱(33.0%減の2,889台)、ホンダ(33.3%減の594台)は減少した。
日本車以外の主な輸入ブランドをみると、双竜(68.5%増の214台)、テスラ(63.6%増の3,703台)、ルノー(63.1%増の1万227台)、シトロエン(57.1%増の4,765台)、セアト(53.5%増の1万3,895台)、フィアット(48.9%増の1万130台)、シュコダ(39.2%増の1万6,865台)、ジープ(36.1%増の1,293台)で増加幅が平均を上回った。そのほかはランドローバーが32.6%増の1,650台、起亜が26.7%増の6,064台、ボルボが16.0%増の4,353台、ダチアが0.4%増の3,354台、ジャガーが10.0%減の647台、DSが18.9%減の176台だった。
一方、独自動車工業会(VDA)が同日発表した3月の国内乗用車生産台数は前年同月比29%増の37万3,900台へと拡大した。輸出台数も23%増え29万6,100台となった。1~3月の累計は生産台数が前年同期比8%減の93万3,600台、輸出台数が同9%減の70万3,600台だった。