ドイツ連邦統計局が2日発表した4月の小売売上指数(自動車販売店を除く、暫定値)は物価・営業日数・季節要因調整後の実質で前月比5.5%減と大きく落ち込んだ。減少は1月以来で3カ月ぶり。新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐために導入された「緊急ブレーキ」ルールの影響で月後半に業界が失速したことが反映された格好。イースター休暇前の特需が昨年の4月から今年は3月にずれ込んだことも響いた。
4月の小売売上は新型コロナが国内で流行し始める直前の昨年2月に比べても実質0.8%少なかった。
一方、前年同月比では実質(物価調整値)4.4%増加した。比較対象の昨年4月は感染第1波を受けて小売店の店舗営業が食料品店などごく一部の例外を除いて禁止されていたことから、その反動で大きく伸びた。
伸び率は非食品部門で大きく10.6%を記録。繊維・衣料品・靴・革製品販売店は33.1%、通販は13.1%、その他の小売店(自転車屋・本屋など)は11.5%、薬局/コスメティック用品・医療品店は10.1%に上った。家具・家電・DIY用品店は7.2%だった。
食料品・飲料・たばこ販売店は3.4%減少した。スーパーなどの食品販売店は昨年4月に営業を認められていたうえ、衣料品店や家電販売店など営業禁止の対象となっていた事業者から需要が部分的に流入していたことから、減少は想定内。イースター休暇の配置も響いた。
1~4月の小売売上は前年同期比で実質0.6%増加した。食料品・飲料・たばこ販売店が1.6%拡大。非食品部門は横ばいだった。同部門の内訳をみると、ネット通販の拡大を背景に通販が30.4%増加したのに対し、繊維・衣料品・靴・革製品販売店は44.3%、デパートなど総合的な小売店は18.5%、家具・家電・DIY用品店は14.5%、その他の小売店は6.4%落ち込んだ。薬局/コスメティック用品・医療品店は2.2%増だった。