ドイツ連邦統計局が18日発表した5月の生産者物価指数は前年同月比7.2％増となり、2008年10月以来12年7カ月ぶりの大きな上げ幅を記録した。同物価の上昇は6カ月連続。エネルギーと中間財がこれまでに引き続き全体を強く押し上げた。
エネルギーの上昇率は14.9％に上った。上げ幅は石油製品で最も大きく36.8％を記録。液化石油ガスは79.1％、灯油は77.9％、自動車燃料は29.7％に達した。
天然ガスは19.7％だった。取引所価格が309.5％、発電所向けが60.7％、産業向けが54.7％と特に大きい。
電力も13.0％と2ケタ台に上った。取引所価格は111.8％で、再販事業者向け（21.0％）と特別契約顧客向け（17.8％）も2ケタ台を記録した。一般世帯向けは0.4％だった。
中間財の上げ幅は10.7％に上った。製造業の景気回復を受けて原料や部材の需要が急増。鉄・鉄鋼・アルミスクラップは69.9％、材木は38.4％、銑鉄・鉄鋼・鉄合金は33.6％、非鉄金属は26.6％、化学原料は17.9％を記録した。集積回路は14.2％低下した。
投資財は1.2％、耐久消費財は1.7％それぞれ上昇した。
非耐久消費財は上げ幅が0.5％にとどまった。食料品は同0.3％。非加工の植物油が39.8％、バターが27.4％、砂糖が13.3％上昇したのに対し、加工肉は8.1％、豚肉は6.2％低下した。
生産者物価指数は前月比でも1.5％上昇し、08年7月以来12年10カ月ぶりの大きな上げ幅となった。エネルギーが2.6％、中間財が2.2％の幅で上昇。投資財は0.2％増、耐久消費財は0.1％増、非耐久消費財は横ばいだった。