ドイツ連邦統計局が13日に発表した6月の消費者物価統計の詳細によると、前年同月比のインフレ率は速報値と同じ2.3%だった。前月の2.5%からややや低下したものの、依然として高い水準にある。これまでに引き続きエネルギーが全体を強く押し上げた。エネルギーを除いたインフレ率は1.6%にとどまった。
エネルギーは9.4%上昇した。世界経済の回復で原油価格が上昇しているうえ、今年1月に運輸と建築物部門で炭素の有償化制度が始まったためだ。比較対象の2020年6月はコロナ禍で価格水準が極めて低かったことから、その反動も大きい。石油製品が全体を強く押し上げており、灯油は上げ幅が42.5%、自動車燃料は同23.5%に達した。天然ガスは同2.4%で、電力は横ばいだった。
食料品は1.2%上昇したものの、上げ幅は前月の同1.5%を下回った。食肉・肉製品(+0.6%)、果物(+0.2%)は上昇率が小さく、野菜は0.4%下落した。エネルギーと食料品を除いた基礎インフレ率は1.7%だった。
他の分野の物品では衣料品が3.6%上昇。携帯電話機は5.8%下がった。
物価に占める比重が53%に上るサービスは1.6%増となり、上げ幅は前月の2.2%を大きく下回った。自動車整備・修理が3.7%上昇したにの対し、電気通信サービスは1.1%低下した。
前月比のインフレ率も速報値と同じ0.4%だった。エネルギーが0.8%上昇。灯油は3.3%高くなった。野菜が3.9%下がったこともあり、食料品は0.4%低下した。サービスは0.5%高くなった。
欧州連合(EU)基準のインフレ率は前年同月比が2.1%、前月比が0.4%で、こちらも速報値と変わりがなかった。