ビオンテック―がん治療薬分野で買収―

バイオ医薬品の有力企業である独ビオンテックは19日、米同業ギリアド傘下のカイトからTCR細胞療法の開発プラットホームと、メリーランド州ゲイザースバーグにある生産施設を譲り受けることで合意したと発表した。がん細胞療法のパイプラインを拡充するほか、米国での治験薬生産能力を拡大する狙い。取引の詳細は公表しないことで合意した。

TCR細胞療法はがん免疫療法の一種。患者から取り出したT細胞(リンパ球の一種)の遺伝子を、がん細胞を敵と認識して攻撃するよう組み替えたうえで体内に戻すことで、がんに対する免疫システムを活性化する。

ビオンテックは米製薬大手ファイザーと新型コロナウイルス用ワクチンを共同開発したことで一躍、有名になったが、もともとはオーダーメイドながん治療薬の開発を手がけている。

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