ドイツ連邦統計局が7月28日発表した6月の輸入物価指数は前年同月を12.9%上回り、上げ幅は第2次石油危機の渦中にあった1981年10月以来およそ40年ぶりの水準に達した。エネルギーと中間財が全体を強く押し上げた格好。エネルギーを除いたベースでは上昇率が7.2%だった。
エネルギーは前年同月比で88.5%上昇した。景気回復のほか、比較対象の2020年6月はコロナ禍で水準が極めて低かったという事情がある。上げ幅は電力で178.5%、天然ガスで150.0%と3ケタ台を記録。原油(81.8%)、石油製品(56.8%)、石炭(44.5%)も2ケタ台に上った。
中間財は17.1%上昇した。上げ幅は特に鉄鉱石(97.4%)、銅(49.9%)、プラスチック(44.0%)、ひき立て材・仕上げ材(43.9%)、非鉄金属鉱石(41.5%)、銑鉄・鉄鋼・鉄合金(40.9%)などで大きかった。
投資財は上げ幅が0.4%にとどまった。ノートパソコンが4.2%、自動車・自動車エンジンが1.6%上昇したのに対し、データ記録媒体は7.2%減と大きく下落した。
耐久消費財は0.1%の低下、非耐久消費財は1.3%の上昇だった。
農産物は7.6%上がった。天然ゴムが49.1%、コーヒー生豆が30.1%、穀物が19.6%上昇。ナッツ類は12.5%、豚は12.6%落ち込んだ。
輸入物価は前月比では1.6%上昇した。
6月の輸出物価指数は前年同月比が5.0%増となり、1982年4月以来の大きな上げ幅を記録した。上昇は6カ月連続。前月比も0.8%上がった。