ドイツ連邦雇用庁(BA)が9月30日発表した同月の失業者数は246万5,000人となり、前月を1万2,000人下回った。BAのダニエル・テルツェンバッハ理事は、就労者数と求人件数がコロナ禍前の水準を上回ったうえ、操短の対象となる被用者が大幅に減っていることを指摘。労働市場は回復が続いているとの見方を示した。
失業率は前月比0.2ポイント減の5.4%へと低下した。失業率のうちコロナ禍に起因するのは0.5ポイントで、5カ月連続で縮小。ピーク時の昨年6月から8月は同1.4ポイントに上っており、約3分の1の水準まで低下した。
失業者数は前年同月比では38万2,000人減少した。季節要因を加味したベースでは前月比の減少幅が3万人となっている。
国際労働機関(ILO)基準の8月の失業率は3.6%で、前月(3.7%)を0.1ポイント下回った。
新規に操短の届け出対象となった被用者の数は9月1~26日に計7万人となり、3カ月連続で減少した。過去最高となった昨年4月は115倍の802万4,000人に達していた。
国の操短手当を実際に受給した人は7月時点で93万人(暫定値)となり、前月の154万人から大幅に減少した。減少は5カ月連続。ピーク時の昨年4月(600万人)に比べると85%少ない。
9月の求人件数は79万9,000件で、前年同月を20万9,000件上回った。季節要因を加味した前月比でも1万8,000件増えている。求人指数BA-Xは前月比1ポイント増の124へと上昇し、労働市場にコロナ禍の影響が出る直前の昨年3月を上回った。前年同月に比べると30ポイント高い水準だ。