ドイツ連邦統計局が10日に発表した10月の消費者物価統計の詳細によると、前年同月比のインフレ率は4.5%となり、1993年8月(同4.6%)以来の高水準に達した。昨年はコロナ禍で石油製品の価格が急落していたうえ、7~12月の半年間は付加価値税率が引き下げられており、その反動が強く出た格好だ。川上物価の上昇が最川下の消費者物価レベルにも部分的に転嫁されていることも響いた。上げ幅はエネルギーと非耐久消費財で特に大きかった。
エネルギーは18.6%上昇し、上げ幅は前月の同14.3%を上回った。世界経済の回復で原油価格が上昇しているうえ、今年1月に運輸と建築物部門で炭素税が導入されたことが上昇に拍車をかけている。これまでに引き続き石油製品が全体を強く押し上げており、灯油の上げ幅は101.1%、自動車燃料は同35.0%に達した。天然ガスは7.4%、電力は2.5%だった。エネルギーを除いたインフレ率は3.1%で、前月と変わりがなかった。
食料品の上げ幅は前月の4.9%から4.4%に低下したものの、水準自体は依然として高い。乳製品・卵が6.0%、パン・穀物製品が5.0%上昇している。エネルギーと食料品を除いた基礎インフレ率は2.9%だった。
他の分野の物品では車両が7.2%、家具・照明が5.0%上昇した。
物価に占める比重が53%に上るサービスは上げ幅が2.4%となり、これまでに引き続き高水準を保った。自動車整備・修理が5.5%、飲食が3.8%上昇した。
前月比のインフレ率は0.5%だった。エネルギーが4.0%上昇。灯油は17.5%、自動車燃料は5.8%高くなった。パック旅行は季節柄4.7%下落した。
欧州連合(EU)基準のインフレ率は前年同月比が4.6%、前月比が0.5%だった。