ドイツ連邦統計局が11月26日発表した10月の輸入物価指数は前年同月比21.7%増となり、上げ幅は前月の同17.7%を一段と上回った。エネルギーと中間財がこれまでに引き続き全体を強く押し上げ、第2次石油危機の渦中にあった1980年1月以来の高水準となった。エネルギーを除いたベースでは上昇率が11.2%(前月10.1%)だった。燃料・原材料・物流コストの上昇は世界的に川下へと転嫁されており、物価は広い範囲で上昇している。
エネルギーは前年同月比で141.0%上昇した。上げ幅は電力で307.9%、石炭で213.2%、天然ガスで193.9%、原油で105.9%、石油製品で102.0%と軒並み3ケタ台を記録した。
中間財は22.1%上昇した(前月は20.7%)。上げ幅は特に肥料・窒素化合物(123.3%)、銑鉄・鉄鋼・鉄合金(60.8%)、アルミニウム(59.6%)、ひき立て材・仕上げ材(58.8%)、鉄鉱石(53.9%)、粗銅(47.1%)、非鉄金属鉱石(41.8%)、プラスチック(41.5%)、鉄鉱石(20.9%)、紙・段ボール(17.3%)などで大きかった。
投資財は上げ幅が前月の2.7%から3.4%へと拡大した。ノートパソコンが9.4%、自動車・自動車エンジンが3.0%上昇。タブレット端末は0.7%低下した。
耐久消費財も上げ幅が2.9%から3.7%へと膨らんだ。
非耐久消費財はプラス4.0%(前月+3.3%)となった。動植物性油種が23.8%増とこれまでに引き続き大きく上昇した。
農産物は15.5%(前月11.6%)上がった。コーヒー生豆が60.8%、穀物が32.5%上昇。豚は15.9%落ち込んだ。
輸入物価は前月比でも3.8%上昇した。
10月の輸出物価指数は前年同月を9.5%上回り、75年1月以来の大きな上げ幅を記録した。同物価の上昇は10カ月連続。前月比も1.4%上がった。