灯油価格の上げ幅2カ月連続100%超に

ドイツ連邦統計局が10日に発表した11月の消費者物価統計の詳細によると、前年同月比のインフレ率は5.2%となり、1992年6月(同5.8%)以来の高水準に達した。昨年はコロナ禍で石油製品の価格が急落していたうえ、7~12月の半年間は付加価値税率が引き下げられており、その反動が強く出た格好だ。川上物価の上昇が最川下の消費者物価レベルにも部分的に転嫁されていることも響いた。上げ幅はエネルギーと非耐久消費財で特に大きかった。

エネルギーは22.1%上昇し、上げ幅は前月の同18.6%を上回った。世界経済の回復で原油価格が上昇しているうえ、今年1月に運輸と建築物部門で炭素税が導入されたことが上昇に拍車をかけている。これまでに引き続き石油製品が全体を強く押し上げており、灯油の上げ幅は101.9%に達した。上昇率が100%を超えるのは2カ月連続だ。自動車燃料も同43.2%(前月35.0%)に上った。天然ガスは9.6%(同7.4%)、電力は3.1%(2.5%)だった。エネルギーを除いたインフレ率は3.4%で、前月を0.3ポイント上回っている。

食料品の上げ幅は4.5%で、前月を0.1ポイント上回った。食用油脂は11.9%、乳製品・卵は6.4%、上昇している。エネルギーと食料品を除いた基礎インフレ率は3.3%で、前月の2.9%から0.4ポイント高まった。

非耐久消費財全体では9.9%上昇した。

耐久消費財も4.3%高くなった。上げ幅は車両で7.7%、家具・照明で5.3%と大きい。

物価に占める比重が53%に上るサービスは上げ幅が2.9%となり、前月を0.5ポイント上回った。自動車整備・修理は同5.8%に上った。

前月比のインフレ率はマイナス0.2%だった。季節柄パック旅行が21.6%下落。このほか果物も0.8%下がった。

欧州連合(EU)基準のインフレ率は前年同月比が6.0%、前月比が0.3%だった。

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