輸出が3カ月ぶりに増加、10月は前月比+4.1%に

ドイツ連邦統計局が9日発表した10月の輸出高(暫定値)は営業日数・季節要因調整後ベースで前月比4.1%増の1,170億ユーロへと拡大した。増加は3カ月ぶり。原材料価格の上昇が製品価格に幅広く転嫁されていることが反映されているもようだ。

10月の輸出高は新型コロナウイルス感染症が同国で流行する直前の昨年2月に比べると実質3.8%高かった。コロナ禍前の水準を上回るのは2カ月ぶり。

輸入高は前月比5.0%増の1,045億ユーロとなり、3カ月連続で拡大した。昨年2月に比べると13.5%高い水準にある。

非調整ベースの輸出高は1,213億ユーロで、前年同月を8.1%上回った。比較対象の昨年10月は強く落ち込んでおり、その反動が大きい。輸入高も同17.3%増の1,085億ユーロへと伸びた。

貿易収支は128億ユーロの黒字となったものの、黒字幅は前年同月に比べ34.7%縮小した。経常黒字は26.9%減の154億ユーロへと落ち込んだ。

輸出を仕向け先地域別でみると、伸び率が大きかったのはユーロ圏と欧州連合(EU)のユーロ非加盟国で、前年同月をそれぞれ12.8%、9.0%上回った。EU域外は4.1%増で、米国は11.4%増、中国は8.5%増だった。1月1日付でEU域内市場と関税同盟から離脱した英国は11.5%減となり、3カ月連続で縮小した。

輸入ではEU域外との取引が20.4%増と大きく伸び、前月に引き続き全体をけん引した。中国は28.6%増、米国は4.0%増、英国は2.9%減。ユーロ圏は18.8%増、EUのユーロ非加盟国は6.0%増だった。

1~10月の輸出高は1兆1,322億ユーロとなり、前年同期を13.9%上回った。ユーロ圏向けが17.2%、EUのユーロ非加盟国向けが17.8%、EU域外向けが10.1%の幅で増加。英国向けは1.6%減少した。

1~10月の輸入高は15.7%増えて9,774億ユーロとなった。ユーロ圏からが16.7%、EUのユーロ非加盟国からが14.9%、EU域外からが15.1%増加。英国からは7.7%減だった。

1~10月の貿易黒字は1,548億ユーロで、前年同期を4.2%上回った。経常黒字も2.8%増の1,918億ユーロへと拡大した。

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