印刷機械大手の独ハイデルベルガー・ドルックマシーネンは7日、独エネルギー大手EnBWから電動車用充電スタンド事業を取得したと発表した。電動車市場の急拡大を背景に家庭用充電器(ウォルボックス)事業が急速に拡大していることから、充電スタンドの販売にも手を広げる意向だ。買収金額は明らかにしていない。
都市エネルギー公社や自治体、企業向けに来年半ばから充電スタンドの販売を開始する。欧州の広い地域で事業を展開することを視野に入れている。ウォルボックスの販売はすでにドイツ、オーストリア、スウェーデンで展開。今後はフランス、ポーランド、ハンガリーに進出する計画だ。
本業の印刷機械が長期構造不況にあえいでいることから、ハイデルベルガーは充電器事業に大きな期待をかけている。先ごろは同事業を会社化。外部の投資家の資本参加や新規株式公開(IPO)で資金を調達しやすい体制を整えた。
EnBWは自ら開発した充電スタンドの生産を外部のメーカーに委託してきた。今後は電動車関連の事業を急速充電インフラ運営に絞り込む意向だ。自らが販売した充電スタンドのメンテナンスなどのサービス事業は継続する。