政府が半導体プロジェクト32件を支援へ

ドイツ経済・気候省は20日、マイクロエレクトロニクス分野の企業プロジェクト計32件を支援対象に選定すると発表した。欧州での半導体生産を拡充してアジアへの依存度を引き下げることを目指す欧州連合(EU)の政策に基づく措置。ロベルト・ハーベック経済・気候相は「世界的な供給のひっ迫はドイツと欧州が時間を失ってはならないことを示している。我々はマイクロエレクトロニクスの需要を自らの手でカバーし、生産を再び独・欧州に強く取り戻すよう共同で取り組まなければならない」と述べた。

EUの「欧州の共通利益に適合する重要プロジェクト(IPCEI)」の枠組みで補助金を交付する意向。支援対象予定のプロジェクトを計画しているのは大手メーカーから中小企業、スタートアップ企業までと幅広い。分野も材料生産、チップの設計、半導体生産、システムへの半導体の統合など多岐に渡る。投資額は計100億ユーロを超える。

EUは特定の企業への国家助成を原則として禁止している。だが、半導体の供給不足で自動車をはじめとする域内産業に深刻な影響が出ていることから、欧州委員会は今春、域内で生産する次世代半導体の世界シェアを現在の10%から2030年に20%以上に引き上げる目標を打ち出した。

マイクロエレクトロニクス分野のIPCEIではドイツを含むEU20カ国が補助金を交付する計画で、支援対象のプロジェクトは合わせて約120件に上る。補助金は欧州委の承認を得た後に交付される。

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