製薬・化学大手の独メルクは14日、ナイジェリア初のワクチン生産設備の製造プロセス開発に向けバイオ企業イノベーティブ・バイオテック(IB)と協業すると発表した。アフリカ諸国でのワクチン現地開発を目指す西アフリカ・パンデミック予防プログラムの一環。ライフサイエンス部門プロセスソリューション事業部の責任者は、「生命を救い生活を改善する医薬品に世界のすべての人がアクセスできるようにすることがわが社の目標だ」と語った。
IBはメルクの協業先である米バイオ医薬品会社テクノワックスが開発中の新型コロナウイルスワクチンをライセンス生産する。同ワクチンはウイルスの外観を模倣した「ウイルス様粒子(VLP)」という物質をベースとするもので、変異株に対応している。前臨床試験の結果から判断して、ウイルスへの高い中和効果が期待できるという。
メルクとIBの協業ではまず、バイオ医薬品を製造するメルクのシングルユースバイオリアクター「モビウス」を用いたワクチン充填・包装設備を設計。第二段階として連続生産を実現する。